21001系は高野線山線への直通運転(大運転)用車両です。
1958~64年に4連×8=32両が帝国車輌で製造されました。南海初のカルダン駆動車両です。
山線(高野下-極楽橋)にある50パーミルの急勾配を走行するため全電動車方式を採用し、6.92という高ギヤ比を採用しました。
一方、平坦線における高速走行も満足させるため弱め界磁率を25%まで引き上げることでこれを可能としました。
ズームカーと呼ばれる由縁です。ブレーキはHSC-D、発電ブレーキ付きとなっています。
1962年製の第4編成までが、扉間転換クロスシート、1963~64年製の4・5次車は、オールロングシートです。
クロスシート車は臨時の「こうや」号として運用されています。(1974年に第3・4編成もロングシート改造。)
1973年の1500 V昇圧にあたり冷房化工事と併せて改造工事が実施されました。
南海線の11001系は1001系となりましたが、こちらは21001系のままです。
1993年より2000系に置き換えられ支線区でも使用されましたが、1997年に全車廃車となりました。
22001系は、1969~72年に2連×16=32両が東急車輌で製造されました。
21000系4連に増結し平坦線での混雑を緩和するのが目的ですが、大運転でも使用するためズームカー仕様となっています。
当初は複電圧仕様の冷房準備車(72年製は冷房車)として登場しました。
2000系に大運転が統一されることとなり、1997年から廃車が発生します。
21001系の一部は2200系、2230系、2270系に改造、支線へ転用してゆきました。