名鉄モ600形は1970年、美濃町線新岐阜乗入れ直通運転をするために登場した複電圧車。
601~06の6両が日車で新製されました。従来車の廃車発生品を多く流用しており、制御装置はWH 製の間接非自動制御器を搭載。主電動機は東洋電機製のTDK-516-E直流直巻電動機を採用します。台車については601、02がボールドウィン42-84-MCB-1を、603~06が日車製のD-12を装着します。連結運転を考慮してSME直通空気ブレーキを採用、密着自動連結器にはブレーキ配管、電気連結器も併設して連結・解放時の省力化が図られています。床下に納まりきれなかった抵抗器を屋根上に設置したために冷房改造もできず、モ606以外は2000年春に廃車されました。モ606だけはワンマン改造されて岐阜600V区間全廃まで活躍しました。
名鉄モ800形は2000年に登場した名鉄版LRV (Light rail vehicle)。
新岐阜駅発着の美濃町線用車両で複電圧車となります。日車で3両が製造されました。バリアフリー時代に対応し中央扉部分を低床とした特殊な床構造をもつ3扉車です。(両端の扉には開閉に連動して動くステップを装備しています。)VVVFインバータ制御、シングルアーム式パンタグラフ、回生ブレーキを装備する最新鋭車両でしたが、2005年3月の名鉄岐阜600V線区の廃止により、わずか5年で廃車となりました。その後、モ801が豊橋鉄道、モ802・803が福井鉄道へ譲渡されています。