韓国鉄道庁9900系は1980年大宇重工業で製作された交流電車です。
韓国の優等列車は、KTXをはじめとして在来線のセマウル号、ムグンファ号も動力集中方式が一般的で、日本のような動力分散方式となる9900系電車は珍しい存在です。
日本の485系特急電車をモデルに電気機器の供給も含め日立製作所の設計協力により10両編成が2本、計20両が製造されました。試作的要素も強くあったといっていいでしょう。運行区間は、ソウル特別市の清凉里駅から中央線・太白線・嶺東線を経て日本海側にある東海駅までで、毎日1往復。所要時間は約5時間40分でした。
車体の老朽化のため、1999年6月にトンイル号へ格下げとなり、2001年3月には廃車されています。
なお「韓国鉄道庁」は、2005年1月公社化され、現在「韓国鉄道公社」となっています。