820系は奈良線特急用の800系に遅れること6年。1961年に登場しました。
800系を基本とし、当初特急にも用いられましたが、
高速性能より加速性能を優先させ歯車比を5.47とUP。
天理線など支線での使用も考慮してMc+Tcの2両固定編成となりました。
また外見も、正面は貫通式、両開き扉を採用するなど、大きく変更されています。
新生駒トンネルが開通し奈良線が大型化(64年)された以後は、
もっぱら京都・橿原線系で使用されるようになりました。
なお1968年に600Vから1500Vへの昇圧工事を行っています。
1984年には4編成が860系として狭軌化されて伊賀線に転属。
次いで1993年、田原本線に残っていた3編成も冷房改造の上、伊賀線に転出しました。
2007年、伊賀線は「伊賀鉄道」へ移行しましたが、
860系は、そのまま同社に貸与され活躍を続けました。
しかし2009年より、代替車両として東急1000系(伊賀鉄道200系)が導入され、
2011年にはその姿を消しています。