近鉄800系は
1955年に登場した奈良線用の高性能車です。24両(4連×6)が製造されました。
奈良線では初の18m級の準張殻構造軽量車体(普通鋼)です。
車体断面は、旧生駒トンネルにあわせたため、当時の奈良線の車両限界内である全長18,500mm、全幅2,450mmで製造されています。
おもしろいのは、4連化のために追加された711~716で簡易運転台付きということでク710形という形式をあてがわれています。(1980年には簡易運転台を撤去、サ710形に改称)
登場時から奈良線特急(料金不要) に使用されましたが、ロングシートだったことが少し残念です。新生駒トンネル開通後、1964年から大型車の運行が可能になるのにあわせて、主役の座を譲り、1969年の1500V昇圧後は、京都線、橿原線、天理線で急行を中心に活躍することになります。1975年以降は、生駒線をメインに田原本線でも使用されました。
同75年、事故により808.704が廃車されました。その片割れである807.714および805.713は1986年から2連化、改軌(880系)され、伊賀線に転属しました。
ここで805Fの片割れであるサ703に運転台が取り付けられ、ク700形が発生します。
800系にも唯一2連が存在したのです。
ただ、冷房化がなされなかったことが響いて1992年には系列消滅となってしまいました。