京阪80形は、
1961~70年に京津線の各駅停車用として、81 - 96の16両が近畿車輛で製造されました。
併用軌道区間における各駅停車運用を前提に設計されたことから、低床構造で扉と連動する乗降ステップが付きました。15m級の両運転台車としてデビューした80形は、3ドア車でもあり、他の京津線車輌とは趣を異にしています。足回りもパワフルです。
モーターはTDK-543/1-B(45kW)。これを各車に4台ずつ搭載。
ギア比も4.21と吊り掛け駆動車としては高く設定し、勾配区間で、かつ急行列車から逃げ切らなくてはならない条件をクリアしました。
そんな高性能に似合わないポール集電で登場したのもユニークです(スライダーポールパンタグラフへ切り替えられた1970年製の94 - 96は当初から通常パンタ。)
1971年には、両運転台車である81 - 93を2両固定編成とする改造工事が
1989年には冷房化改造工事が開始されました。
しかし、1997年10月、市営地下鉄東西線建設に伴う京津線併用軌道区間廃止のあおりを受け姿を消しています。