JR東海371系は、1991年1月、
御殿場線から小田急電鉄線経由で新宿に乗り入れる
特急「あさぎり」用の車両として登場しました。
JR東海が初めて製造した在来線用特急電車ということになります。
またJR東海が新製した在来線車両の多くはステンレス製なのですが、
371系は普通鋼製です。
これはデザイン面での自由度をもたせるためであったと考えられます。
とりわけ前頭部は、大形の曲面ガラスを使用した見事な涙滴型で、
ダブルデッカー車においても、2階から1階までぶち抜きの
超大型の曲面ガラスを使用した大胆なデザインとなっています。
一方、制御方式はVVVFインバーターではなく
211系や311系などと同じく界磁添加励磁制御で、
台車(C-DT56A/C-TR243)も205系と同タイプのボルスタレス台車(ヨーダンパ付き)となっています。
それでも5M2Tの構成により、
御殿場線内の急勾配 (25‰) においても均衡速度100km/hを維持します。
しかし1編成7両しか製造されておらず、JR特急の中では最少車輌数です。
2006年にはパンタグラフがC-PS24A形から
シングルアーム式C-PS27A形に交換されました。
なお371系「あさぎり」は2012年春に引退する予定です。